糖尿病の急性合併症とは？急性合併症の種類や症状は？慢性合併症との違いは？

糖尿病の急性合併症とは、主に急激な血糖値の上昇によって発症する合併症です。急性合併症を発症すると、こん睡状態になる場合も多く、早急に対処しなければ命に関わります。

急性合併症は、必ずしも糖尿病の診断を受けている方や治療中の方に起こるわけではなく、急性合併症を発症したことで初めて糖尿病が発覚するケースも少なくありません。

そこで、糖尿病の急性合併症とは何なのか、また急性合併症の種類や症状にはどういったものがあるのか、そして糖尿病の急性合併症と慢性合併症との違いについてまとめました。

糖尿病の急性合併症は、何らかの原因によって異常な高血糖状態になった場合に発症します。

急性合併症が起きるきっかけは、脱水や糖尿病治療の中断、感染症などいくつかありますが、何れにしても血糖値をコントロールするインスリンが正常に作用しなくなることで、血糖値の急激な上昇を引き起こします。

急性合併症は、突然のショック状態によって、意識を失うこともありますので、非常に危険な合併症だと言えます。

糖尿病の急性合併症の種類としては、糖尿病ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群の2つがあります。

主な症状としては、どちらも極度の脱水状態になることが挙げられますが、特に糖尿病ケトアシドーシスは、こん睡状態などの深刻な状態になるケースが多くなります。

高浸透圧高血糖症候群は、糖尿病ケトアシドーシスに比べるとこん睡状態になることは少ないのですが、症状の程度によっては意識障害を引き起こす場合もあります。

糖尿病の急性合併症と慢性合併症との違いは、発症するタイミングと症状が進行するスピードです。

一般的な糖尿病の3大合併症としては、糖尿病神経症、糖尿病網膜症、糖尿病腎症が挙げられますが、3大合併症は糖尿病を発症し、高血糖の状態が長期的に続くことで起こる合併症となりますので、慢性合併症と呼ばれています。

対して、糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群といった急性合併症は、急激な血糖値の異常によって突発的に発症するのが特徴となります。

糖尿病の急性合併症は、3大合併症などの慢性合併症に比べて非常に命に関わる危険性が高いと言えます。

特に危険なのは、まだ糖尿病の診断を受けていない方です。

糖尿病の急性合併症は、高血糖の状態が長く続くことで発症するものではありませんので、自分は糖尿病ではないから大丈夫というわけではないのです。

糖尿病の診断を受けていない方が、突然急性合併症を発症して命を落とすケースもありますので、糖尿病の診断を受けている、いないに関わらず注意が必要だと言えます。