糖尿病神経障害とは?症状が現れる時期はいつ?初期症状や自覚症状は?
糖尿病神経障害とは、手足にしびれや感覚の異常などが起こる神経障害です。
糖尿病神経障害は、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症と同じく糖尿病の3大合併症の1つですが、中でも特に発症する方が多い合併症となっています。
そのため、糖尿病と診断された際には、まずは糖尿病神経障害に注意する必要があると言えます。
そこで、糖尿病神経障害について、また症状が出る時期や糖尿病神経障害の初期症状、自覚症状についてまとめました。
糖尿病神経障害とは?
糖尿病神経障害は、高血糖によって神経の働きを阻害することで起こります。私たちは、神経が正常に働いていることで、何かに触れた時の感覚や温度などを感じることができます。
また、何かケガや病気をした際に痛みを感じるのも、神経が正常に働いているためです。
しかし、糖尿病神経障害を発症し、神経に異常をきたしていると、正常な感覚を感じ取ることができず、自分では気が付かないうちに重大なケガや病気になっている場合があるのです。
糖尿病神経障害の症状が現れる時期はいつ?
糖尿病神経障害の症状が現れる時期は、個人差がありますので一概には言えませんが、糖尿病を発症して高血圧状態が続いてから5年程が目安となります。
糖尿病神経障害は、他の糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症に比べて比較的早い段階で発症する合併症となります。
目安の時期は5年程ですが、糖尿病の進行状況によってはもっと早く糖尿病神経障害の症状が現れる場合もありますので、必ずしも5年後というわけではありません。
糖尿病神経障害の初期症状や代表的な症状は?
糖尿病神経障害の初期に見られる症状は、手や足のしびれ、痛みです。特に、初めは足の指や足の裏にピリピリとした痛みを感じて、次第に手にも症状が見られるようになります。
また、糖尿病神経障害には様々な症状があり、人によって現れる症状も異なりますが、症状が進行するにつれて、痛みやしびれから、感覚が鈍くなる、感じなくなるという状態に移行します。
手足の痛みやしびれ
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糖尿病神経障害では、両手と両足の対象となる部分にしびれや痛みを感じるようになります。症状は手足の末端から現れますので、初めは手袋や靴下で覆われている箇所に症状が出やすくなります。
痛みや熱さに鈍感になる
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感覚が鈍くなることで、熱いものを触ってやけどをしても、何かで切ってケガをしても痛みを感じなくなります。そのため、長期間ケガなどに気が付ないこともあります。
便秘や下痢
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糖尿病神経障害になると、自律神経の働きにも異常をきたしますので、食べ物をきちんと消化することができず、便秘や下痢になることがあります。また、吐き気や胸焼けなどの症状も見られます。
めまいや立ちくらみ
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血圧の調整には自律神経が関わっていますので、上手く調節できずにひどい立ちくらみやめまいを感じることがあります。
汗をかかなくなる
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汗の分泌をコントロールしている自律神経が阻害されることで、汗をかかなくなったり、乾燥肌になる場合があります。
膀胱炎になる
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尿意が正常に脳に伝達されないため、尿が溜まりすぎて膀胱炎になったり、尿を出し切ることができなくなることがあります。
顔面が麻痺する
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脳神経に支障をきたすことで、顔や目をきちんと動かすことができず、顔面麻痺や眼球の運動障害が起こる場合もあります。
糖尿病神経障害には自覚症状はある?
糖尿病神経障害では、比較的早い段階で手足の痛みやしびれといった自覚症状が現れます。
そのため、糖尿病神経障害は、他の糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症に比べると、自覚しやすい合併症だとされています。
ただ、痛みやしびれなどの初期症状を放置してしまうと、感覚が鈍くなり、気が付かないうちにどんどん症状が進行してしまいますので、注意が必要です。
糖尿病神経障害は重症化すると足を切断する必要もある
糖尿病神経障害で最も怖いのは、感覚に異常をきたすことで、痛みを感じなくなることです。
痛みを感じないために、目につきにくい足にケガを負っても気が付かず、放置してしまうケースが多くあります。
ケガを放置すると、傷口から細菌に感染して足が壊死してしまい、気が付いた時には切断せざるを得ない状態になっている可能性もあるのです。
そのため、糖尿病神経障害は出来るだけ早い段階で改善することが重要となります。