妊娠高血圧症候群とは?症状や原因は?なりやすい人の特徴は?
妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降の後期に高血圧、もしくは高血圧と尿蛋白の症状が現れる疾患です。
妊娠高血圧症候群は、以前は妊娠中毒症と呼ばれていましたが、2005年以降は主に高血圧が原因となる症状ということで、妊娠高血圧症候群という名称になりました。
高血圧には様々な種類がありますが、特に妊婦さんは妊娠高血圧症候群に注意する必要があります。
そこで、妊娠高血圧症候群について、また妊娠高血圧症候群の症状や原因、なりやすい人の特徴についてまとめました。
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妊娠高血圧症候群とは?
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中の女性が発症する高血圧症で、発症する時期としては妊娠20週~分娩後12週になります。
妊娠高血圧症候群と診断されるのは、最高血圧140mmHg以上で最低血圧90mmHg以下の場合で、最高血圧160mmHg以上で最低血圧110mmHg以下の場合は特に重症になります。
また、妊娠高血圧症候群は、妊娠20週~34週未満で発症した場合は早期型と呼ばれ、非常に重症化しやすく危険だとされています。
妊娠高血圧症候群が重症化すると、妊婦さんだけではなく、お腹の赤ちゃんにまで影響を与えてしまう場合もあります。
妊娠高血圧症候群の症状は?
妊娠高血圧症候群の主な症状は、高血圧と尿蛋白です。また、他にも頭痛やむくみ、眠気倦怠感、吐き気や咳といった症状もよく見られます。
ただ、むくみや倦怠感などの症状は、妊娠高血圧症候群を発症していない場合でも妊娠中に現れる症状になります。
そのため、妊娠高血圧症候群かどうかを判断するためには、やはり血圧の高さと尿蛋白の有無といった症状で判断するしかないと言えるでしょう。
妊娠高血圧症候群を発症する原因は?
妊娠高血圧症候群を発症する原因は、実はまだはっきりとは分かっていません。
妊娠高血圧症候群の原因として現在いくつかの説が発表されていますが、特に有力だとされているのは、妊娠初期の段階で胎児の血管の形成に何かしらの異常があることが原因だという説です。
血管がきちんと形成されていないと、栄養や酸素などが母体から胎児に上手く供給できません。
そのため、母体に過度な負担が掛かってしまい、妊娠高血圧症候群を発症するのではないかと言われています。
妊娠高血圧症候群になりやすい人の特徴は?
妊娠高血圧症候群は、妊婦さんの20人に1人の割合で発症する疾患となりますので、妊娠した方なら誰でも妊娠高血圧症候群になる可能性はあります。
ただ、妊娠高血圧症候群になりやすい人には、いくつかの特徴がありますので、当てはまる方は特に注意が必要です。
肥満気味の方
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肥満気味の方は、塩分の摂取量が多い関係で、妊娠中に限らず高血圧を発症しやすくなります。妊娠前から肥満体型の方はもちろんですが、妊娠してから急激に体重が増えたという方も注意が必要です。
高血圧やと糖尿病などの持病がある方
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妊娠前から高血圧や糖尿病、あるいは甲状腺機能障害や腎疾患といった病気に掛かっている方は、妊娠中も妊娠高血圧症候群になりやすいと言えます。
双子や三つ子を妊娠している方
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双子や三つ子を妊娠している多胎妊娠の方は、胎児が1人の場合よりも母体に掛かる負担が大きいため、妊娠高血圧症候群を発症しやすくなります。
出産経験のない方
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出産経験のない方のない方、初産の方は、妊娠経験がある方に比べて妊娠高血圧症候群を発症する割合が高くなっています。また、前回の妊娠から5年以上経過している場合も妊娠高血圧症候群を発症するリスクが高くなります。
15歳以下、35歳以上の方
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35歳以上のいわゆる高齢出産と呼ばれる年齢の方は、20代や30代前半の方に比べると妊娠高血圧症候群を発症しやすくなります。また、逆に15歳以下の若い方も妊娠高血圧症候群を発症する場合が多いと言えます。
妊娠高血圧症候群は急激に症状が悪化する場合も
妊娠高血圧症候群は、軽度の場合であれば特に入院の必要もなく、通院で食事療法などをしながら経過観察する程度で済みます。
ただ、妊娠高血圧症候群は、自覚症状がないままに急激に症状が悪化する場合もあります。
重症化すると、すぐに入院や手術が必要となることもありますので、妊娠中に起こりやすい症状だからといって軽く見るのは危険です。
妊娠高血圧症候群を悪化させないためにも、妊娠中の血圧の変動には十分に注意をする必要があります。