糖尿病神経障害の原因は?発症するメカニズムやチェックする方法は?
糖尿病神経障害は、糖尿病の三大合併症の中でも特に比較的早い段階で発症する方が多い合併症だと言われています。
糖尿病神経障害は、手足がしびれたり、熱さや痛みなどの感覚が鈍くなるといった症状が代表的ですが、そもそもどういったことが原因で糖尿病神経障害を発症するのでしょうか。
そこで、糖尿病神経障害の原因や発症するメカニズムはどのようなものなのか、また糖尿病神経障害をチェックするにはどうしたら良いのかについてまとめました。
糖尿病神経障害の原因は?
糖尿病神経障害の原因は、実は明確にはまだ解明されていません。ただ、現在最も有力とされているのは、糖分の一種であるソルビトールが神経細胞に蓄積するためという説です。
他にも、遺伝子的な要因が原因になっているという説や体内の一酸化窒素の異常が原因になっている説などもあります。
また、その他にも複数の要因が原因で糖尿病神経障害を発症するという説もあり、はっきりとした原因が分かるまでにはもう少し時間が掛かるかもしれません。
ただ、根本的な原因が何であれ、末梢神経がダメージを受けていることが糖尿病神経障害が起こる直接的な原因だと言えるでしょう。
糖尿病神経障害とは?症状が現れる時期はいつ?初期症状や自覚症状は?
糖尿病神経障害を発症するメカニズム
ソルビトールが糖尿病神経障害の原因だという説では、ソルビトールという糖分が神経細胞に蓄積することで、末梢神経がダメージを受けるというメカニズムで糖尿病神経障害が引き起こされるとされています。
また、高血糖の状態が続くことで、血流が悪化し、酸素や栄養素が神経細胞に十分に行き届かなくなることで、末梢神経が障害を受けるとも言われています。
糖尿病神経障害をチェックする方法は?
糖尿病神経障害をチェックする方法としては、ハンマーで膝やアキレス腱を叩くという方法が最も簡単で分かりやすいと言えます。
また、音叉を使用して振動を感じるかどうかというチェック方法も有効で、比較的簡単にできます。
ハンマーや音叉を使ったチェック方法は自分でもできますので、定期的に確認してみると良いでしょう。
ハンマーで膝やアキレス腱を叩く
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脚気の検査で経験したことがある方も多いかもしれませんが、通常ハンマーで膝などを叩くと、反射によって足がはねます。しかし、末梢神経に異常をきたしていると、反射が起こらず、膝などを叩いても足が反応しません。
音叉を骨にあてて振動を感じる
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正常な感覚の場合、音叉を鳴らしてくるぶしなどの骨の部分にあてると、振動を感じます。もし仮に、振動を感じない、あるいは非常に弱い振動しか感じないという場合は、末梢神経が正常に働いていない可能性が高いと言えます。
糖尿病神経障害は早期発見が重要
糖尿病神経障害は、まだはっきりとした原因も解明されていませんので、不明瞭な部分も多いのですが、糖尿病の合併症の中では比較的早期に発症する合併症です。
また、糖尿病神経障害には、手足のしびれや感覚の異常など分かりやすい初期症状もあります。
どの病気でも言えることですが、糖尿病の合併症は早期に発見して対処することが回復のカギとなります。
そのため、糖尿病と診断された場合は、糖尿病神経障害で起こる末梢神経の異常がないかなどをきちんと確認する必要があります。

