職場高血圧とは?症状や特徴は?職場で血圧が上昇する原因は?
職場高血圧とは、職場で仕事をしている間だけ血圧が高くなってしまう症状です。
健康診断や家庭で血圧を計測すると正常な数値を示すのに、職場では高血圧と判断される数値まで血圧が上昇してしまうのが職場高血圧です。
自分でも気が付かないうちに職場高血圧になっている方も多いと言われており、最近注目されている高血圧の一種になります。
そこで、職場高血圧の症状や特徴について、また職場で血圧が上昇する原因は何なのかについてまとめました。
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職場高血圧とは?
職場高血圧は、隠れ高血圧や仮面高血圧と呼ばれるものの一つで、職場でのみ急激に血圧が上がって正常値を超えてしまいます。
ベルギーのルーベン大学高血圧研究所が高血圧の診断を受けたことのない中高年約5,000人を対象に調査をした結果、おおよそ30%の人が職場で血圧が上昇していたことが分かりました。
また、日本でも東京都老人医療センターの研究グループが職場高血圧に関する研究を発表しており、東京都庁に勤務する20代から60代の男女約260人を対象に職場で血圧を測定したところ、23%が職場高血圧だと判断されました。
職場高血圧は、職場以外の健康診断などで血圧を測定しても特に異常が見られないため、なかなか気が付きにくくなります。
職場高血圧の症状や特徴は?
職場高血圧は、一般的な高血圧と同様に、自覚できるような分かりやすい症状が出ることはほとんどありません。
ただ、あまりにも血圧が高くなった際には、めまいや吐き気、頭痛などの症状が出る場合があります。
また、職場高血圧の特徴としては、仕事中のみ血圧が上昇し、普段は正常な血圧の数値を示すということですが、他にもいくつか特徴があります。
若い年代でも発症する
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高血圧は一般的に中高年の方が発症しやすいものですが、職場高血圧は20代や30代、40代といった若い年代の方も発症する可能性があります。
そのため、若いからといって軽視できないのが職場高血圧です。
肥満体型の人に多い
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肥満は血圧が上がりやすくなる原因の1つとされていますが、職場高血圧になる人も痩せている人や標準体型の人よりも肥満体型の人が多いと言われています。
身内に高血圧患者がいる人に多い
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職場高血圧と診断される人は、親や兄弟、親戚などの身内に高血圧の人がいる場合に多いのが特徴です。高血圧は遺伝的な要因も多く含まれますので、家系的に高血圧患者が多い場合は、職場高血圧にも注意が必要ということです。
職場で血圧が上昇する原因は?
職場で血圧が上昇する主な原因は、職場で感じているストレスや緊張です。ストレスや緊張を感じると、自律神経のうち、交感神経が優位に働きます。
血圧は自律神経によってコントロールされており、副交感神経が優位になると血管が拡張して血圧は下がりますが、逆に交感神経が活性化すると血管が収縮して血圧が上昇します。
仕事中は誰でも多かれ少なかれ緊張したり、ストレスを感じるものですが、職場で常に強いストレスにさらされている、緊張しやすいという場合は、職場高血圧になっている可能性が高いと言えます。
また、仕事の内容だけではなく、仕事中にタバコを吸えないことでイライラしたり、上司や部下、同僚との人間関係によって強いストレスを感じているといった場合も、血圧の上昇に繋がり、職場高血圧の原因となります。
職場高血圧が体に与える影響は?
職場高血圧は、職場では血圧が上がっても普段は正常なのだから特に問題ないのではないかと考える方もいるでしょう。
ただ、血圧の急激な上昇は、体に大きな負担がかかります。また、職場高血圧は数時間は血圧が高い状態が続きます。
さらに、職場高血圧は、健康診断や家庭で血圧を測っても、正常な数値を示しますので、自分が高血圧になっていることになかなか気が付くことが出来ません。
そのため、発見や対処が遅れ、気が付いた時には症状がかなり悪化していることも多くあるのです。
職場高血圧は突然死の危険性も高い
職場高血圧は、知らず知らずのうちに血圧の急上昇を繰り返している状態となりますが、気が付かずに放置することで、心臓や腎臓が徐々にダメージを受けていきます。
また、自分が高血圧だという自覚がないまま、脳卒中や心筋梗塞などである日突然倒れて死に至るリスクも高いのです。
特に、1週間の仕事始めとなる月曜日の午前中は、職場で心筋梗塞や脳梗塞などで倒れる人の割合が高いことが分かっています。
高血圧だと分かっていれば日頃から対処は出来ますが、職場高血圧はなかなか発見されず、自覚症状もないという点が非常に危険性が高いのです。