日本人は糖尿病を発症しやすい?欧米人に比べて糖尿病になりやすい原因は?
日本人の糖尿病の患者数は、現在1,000万人以上と言われています。糖尿病の患者数は年々増加傾向にあり、糖尿病予備軍を含めると日本人の糖尿病人口はかなり多いと言えます。
糖尿病は、世界的見ても患者数が増加の一途をたどっています。世界全体の糖尿病人口は既に4億人以上に上っており、今後も増え続けると予測されています。
糖尿病は今や世界的に問題になっている病気と言えますが、実は日本人は特に糖尿病に注意しなければならないと言われています。
そこで、日本人は糖尿病を発症しやすいのか、またアジア人が欧米人に比べて糖尿病になりやすい原因は何なのかについてまとめました。
日本人は糖尿病を発症しやすい?
糖尿病は太っている人、肥満体型の人がなりやすいというイメージがありますので、日本人よりもアメリカやヨーロッパの人の方が糖尿病を発症しやすいのではないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに、欧米でも糖尿病の患者数は多く、かなり問題視されていますが、実は欧米人よりも日本人の方が糖尿病を発症しやすいとされているのです。
ハーバード大学の研究チームでは、日本人を含めたアジア人は、痩せていても糖尿病になりやすいという研究データを発表しました。
実際に現在世界的に見て糖尿病人口が大幅に増加しているのはアジア地域なのです。では、なぜ日本人、またアジア人は糖尿病を発症しやすいと言われているのでしょうか。
アジア人が欧米人に比べて糖尿病になりやすい原因は?
肥満体型の多い欧米人に比べて、痩せ型のアジア人が糖尿病になりやすいのは、遺伝的な要因が大きく関係しています。
糖尿病の発症には血糖値を低下させるインスリンが大きく関わっていますが、アジア人は欧米人に比べてインスリンを分泌する能力が低いのです。
また、中国や日本を含むアジア諸国では、食生活をはじめとした生活様式の欧米化が進んでいます。
本来の伝統的な食生活から大きく変化しているという環境的な要因も糖尿病の発症率が増えている原因の1つだと言えます。
インスリンを分泌する能力が低いこと
日本人のインスリン分泌量は、欧米人のおおよそ半分程度になります。つまり、日本人は人種的に欧米人よりも血糖値を下げる能力が低いということです。
インスリンが効きにくくなることをインスリン抵抗性と言いますが、欧米人はインスリンを分泌する能力が高いため、インスリン抵抗性が現れるハードルがかなり高いと言えます。
そのため、欧米人は仮に肥満体型であっても糖尿病にならないケースが多いのです。
逆に、日本人などのアジア人は、標準体型や痩せ型の場合でも、インスリン抵抗性が出やすく、糖尿病になりやすいと言えます。
食生活の欧米化が進んだこと
欧米化が進む前の日本では、食事は和食が中心となっていました。ただ、現在はハンバーガーなどのファストフードや肉類を多く食べるようになっています。
そのため、カロリーや脂肪、糖分の摂取量が大幅に増加し、糖尿病を発症しやすくなったと言えます。
また、食生活の欧米化は、日本だけではなく、中国やインド、他のアジア諸国でも進んでいますので、アジア全体が糖尿病を発症しやすい生活様式になっていると言えるでしょう。
日本人は痩せていても糖尿病に要注意!
肥満は糖尿病の発症に繋がる大きな要因となりますので、太っている人やメタボの人は糖尿病の発症リスクが高まります。
ただ、もともとインスリンの分泌量が少ない日本人は、痩せているスリムな体型の人であっても、注意が必要だと言えます。
日本人は軽度の肥満であっても、インスリンが効きにくくなり、血糖値が上がるリスクが高いのです。
そのため、肥満体型の人はもちろんですが、標準体型や痩せ型の人でも欧米人に比べて糖尿病を発症しやすくなります。
また、一見スリムに見えても内臓に脂肪がついている場合もあります。特に、親や兄弟、親戚などの身内に糖尿病の人がいる場合はよりリスクが高くなりますので、要注意です。