高血圧パラドックスとは？高血圧パラドックスが起きる原因や危険性は？
高血圧パラドックスとは、血圧を下げる薬が存在しているにも関わらず、多くの方が高血圧の治療を受けていないという状態を指します。
パラドックスとは、逆説やジレンマという意味の言葉になりますが、高血圧に関する治療方法や対処法が確立されているのに、肝心の高血圧患者が治療を受けていない現状を表したのが高血圧パラドックスという言葉です。
現在の日本では、高血圧パラドックスが大きな問題となっているのです。
そこで、高血圧パラドックスについて、また高血圧パラドックスが起きる原因や高血圧パラドックスの危険性についてまとめました。
食事制限不要！たった5分の簡単ストレッチだけで血圧が下がる！
高血圧パラドックスとは？
日本では現在4000万人以上の方が高血圧に該当すると言われています。にも関わらず、高血圧の治療を受けているのは、4分の1の1000万人程度になります。
つまり、高血圧の方の多くが治療を受けていないというのが現状なのです。
現在は、正常な血圧に戻すために効果的な食事療法や運動療法も確立されています。また、血圧を下げるための降圧薬も複数あり、十分な治療を行うことができる状態です。
高血圧パラドックスという言葉は、治療できる状態が整っているにも関わらず、実際には多くの高血圧の方が治療を受けていないというジレンマ的な状態を表しているのです。
高血圧パラドックスが起きる原因は？
高血圧パラドックスが起きる一番の原因は、高血圧を甘く見ている方、軽く考えている方が多いということでしょう。
血圧が高い状態は健康上良くないことであり、将来的に心筋梗塞や脳卒中などを発症して死亡するリスクが高まるということは多くの方が理解しています。
ただ、実際に血圧が高いからといって、すぐに体に不調をきたしたり、困った状態になるということはあまりありません。
高血圧の初期段階や軽度の状態では、自覚症状はほとんどありません。また、日常生活に支障をきたすこともまずないでしょう。
そのため、高血圧と診断されても、本人としては現時点では特に不調もないため、そのまま放置するケースが多いのです。
高血圧パラドックスの危険性は？
高血圧パラドックスの危険性は、高血圧の状態を改善せずにそのまま放っておくことで、重大な病気を発症するリスクが高くなることです。
日本人の死亡に関するリスク因子を調べた結果では、高血圧は喫煙に継ぐ第2位となっており、非常に高いリスクがあることが分かっています。
高血圧が進むと、動脈硬化が起こり、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの発症に繋がります。
いずれも日本人の死亡原因として大きな割合を占める病気となりますので、高血圧だと分かっていながら治療をしないということは、自分で死亡リスクを高めているということなのです。
高血圧は脳卒中のリスクが2倍以上になる
高血圧の基準としては、収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上と定義されています。
上が140mmHg以上、下が90mmHg以上の高血圧の方は、正常な血圧の方に比べて脳卒中や心不全を発症するリスクが2倍～3倍程度になるとされています。
つまり、高血圧の状態を放置しておくと、脳卒中などで急死するリスクが2倍以上になるということになります。
高血圧パラドックスが続くと突然死も増える？
今現在日本は、高血圧と診断されている方の多くが治療を受けていない高血圧パラドックスの状態にあると言えます。
実際に、健康診断で高血圧と診断されたけれど、特に何もしていない、治療を受けていないという方も多いのではないでしょうか。
高血圧はサイレントキラーと呼ばれている通り、よほど重度でない限り、自覚できる症状はほどんどありません。ただ、目に見える症状が現れないだけで、体の中では静かに動脈硬化が進んでいるのです。
そのため、ある日突然血管が詰まる、あるいは破裂して心不全や脳卒中により死亡してしまうケースが多いのです。
今後も日本で高血圧パラドックスの状態が続くとなると、必然的に突然死する人も増えることになりますので、非常に危険だと言えます。
