糖尿病は熱中症のリスクが高まる?糖尿病患者が夏に脱水症状になる原因は?
夏に注意しなければならないものの1つが熱中症です。気温が高くなると、連日のように熱中症による脱水で病院に運ばれたというニュースを耳にします。
熱中症は、特に小さいお子さんやお年寄りが発症しやすい症状だというイメージがありますが、実は糖尿病の方も非常にリスクが高いとされています。
そこで、本当に糖尿病は熱中症のリスクが高まるのか、また糖尿病患者が夏に脱水症状になる原因は何なのかについてまとめました。
糖尿病は熱中症のリスクが高まる?
糖尿病の方は熱中症になるリスクが非常に高くなります。熱中症で病院に運ばれるのは、65歳以上の高齢者が半数を占めますが、中でも糖尿病のような慢性疾患がある方の割合が高いのです。
熱中症は、気温や湿度が高くなることで、体温調節が出来なくなり、脱水や頭痛、吐き気やままいなどの症状を引き起こして、重症化すると意識を失うこともあります。
糖尿病患者は高齢者が多いため、最悪の場合、熱中症を発症したことで、死に至るケースもありますので、非常に危険です。
しかも、糖尿病の方は、神経障害などで熱さやのどの渇きなどに鈍感になっている場合があるため、熱中症を発症したことに気が付きにくくなります。
そのため、処置が遅くなり、症状が重症化してしまうこともありますので、注意が必要です。
糖尿病患者が夏に脱水症状になる原因は?
糖尿病患者が夏に脱水症状になる原因は、一言で言うと血糖コントロールが難しくなるためです。
夏は気温や湿度の高さによって、血糖値が上がりやすくなったり、インスリンの効き具合が変化することがあります。
そのため、いつもと同じように生活をしていても、夏になると血糖値が不安定になり、熱中症や脱水症状を引き起こすケースが多くなるのです。
運動量が減る
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気温や湿度が高くなると、動くのがおっくうになりますので、通常よりも運動量が減ります。高温多湿の環境は体力の消耗も激しくなり、運動療法を行っている糖尿病患者もなかなか体を動かすことができないため、血糖値が上がりやすくなるのです。
インスリンの効きが早くなる
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気温が高くなる夏は、冬の寒い時期に比べて血流が良くなりますので、インスリンを注射した際の吸収速度も上がります。そのため、インスリンの効きがいつもより早くなり、すぐに血糖値が下がってしまう場合があるのです。
インスリンが変性しやすくなる
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インスリンは、直射日光にさらされたり、高温の状態で置いておくと、変性して作用が失われるという性質があります。そのため、インスリンを注射しても血糖値が下がらず、高血糖の状態が続く場合があります。
インスリンが変性すると、濁ったり、粒状になる、色が変わるという特性がありますので、もし何かしら異常が見られる場合はそのまま使用しないようにしましょう。
スポーツドリンクの飲み過ぎ
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熱中症を防ぐためにも夏の水分補給は非常に重要です。また、最近は水分だけではなく塩分摂取も大切ということで、水ではなくスポーツドリンクなどを飲む方も多くいます。ただ、スポーツドリンクなどには糖分が多量に含まれている場合があります。そのため、飲み過ぎてしまうと血糖値が上昇する危険性があります。
糖尿病の方は気温よりも湿度に注意!
熱中症は、気温はもちろんですが、湿度にも注意が必要です。仮に気温が27度、28度程度でも、湿度が高いと熱中症のリスクは高まります。
特に、糖尿病の方は、自律神経のバランスが乱れている場合が多いため、気温が30度以下であっても熱中症を引き起こす可能性があるのです。
そのため、糖尿病の方は、夏は気温の高さはもちろんですが、湿度にも十分注意して生活をすることが重要となります。