糖質制限食とは?糖尿病の糖質制限の方法や食事の内容は?注意点は?
糖質制限食とは、糖質の摂取量を抑え、血糖値の上昇を防ぐための食事療法です。糖質制限は、主に肥満やメタボリックシンドロームの改善、糖尿病の治療などで行われている方法です。
また、最近は糖質を控えることで、ダイエットや健康維持の効果があるとして、一般的にも広まってきています。
ただ、実際にどのような食事で糖質制限をするのかよく分からないという方も多いでしょう。
そこで、糖質制限食について、また糖尿病の糖質制限の方法や食事の内容、注意点についてまとめました。
糖質制限食とは?
これまでは食事制限と言えば、カロリー制限が主流でしたが、カロリーではなく、糖質に着目したのが糖質制限食です。
糖質の量を抑えることで、食後に血糖値が急激に上昇することを防ぐことができ、肥満や糖尿病の改善に有効だとされています。
血糖値が上がると、血糖値を下げるためにインスリンの分泌が活発になりますが、インスリンは余分な糖質を脂肪として蓄える働きがありますので、肥満に繋がるのです。
また、血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症や悪化を引き起こしてしまいますので、血糖値の上昇を防ぐために糖質を制限するのが糖質制限食の目的です。
糖尿病の糖質制限の方法や食事の内容は?
糖尿病の糖質制限の方法としては、簡単に言うと主食を控えておかずを食べるというものです。
体のエネルギーを作り出すために必要な3大栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物ですが、炭水化物から食物繊維を差し引いたものが糖質なのです。
つまり、主食であるごはんやパン、麺類などの炭水化物は糖質のかたまりとなりますので、3大栄養素のうち、糖質(炭水化物)の量を減らして、他のタンパク質と脂質を積極的に摂るというのが糖尿病の糖質制限の基本になります。
具体的な食事の内容は、どの程度の糖質制限をするかによって変わってきますが、糖質制限の食事をする上でのポイントはいくつかあります。
主食以外でも糖質の多い食品は避ける
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パンやごはんなどの主食以外にも、糖質の多い食品はあります。例えば、牛乳や果物、イモ類や根菜類などの野菜が該当します。主食を控えても、他に糖質が多い食品を摂っていては糖質制限の意味がありません。健康食のイメージが強いそばや玄米なども糖質は多く含まれていますので、注意が必要です。
タンパク質と脂質は十分に摂取する
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糖質を制限する代わりに、タンパク質と脂質はしっかりと食べましょう。糖質以外も制限してしまうと、必要なエネルギーを作り出すことができず、健康を害してしまう可能性があります。
糖質の多いお酒も控える
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お酒は焼酎やウイスキーなどの蒸留酒であれば、糖質は控えめですので問題ありません。ただ、日本酒やビールといった醸造酒には糖質がたっぷり含まれていますので、控える必要があります。
カロリーを摂りすぎない
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糖質制限では、特にタンパク質と脂質に関する制限はありませんので、好きに食べてよいのですが、それでも食べ過ぎや飲み過ぎはNGです。いくら糖質を制限しても、カロリーを摂りすぎては意味がありませんので、1日3000カロリー以内を目安にしましょう。
糖質制限の注意点は?
糖質制限の注意点は、食物繊維の不足です。ごはんなどの炭水化物には、糖質はもちろんですが、食物繊維も含まれています。
糖質制限で主食の炭水化物を食べなくなると、食物繊維が不足して便秘になる場合があるのです。
そのため、糖質制限をする際には、海藻類やキノコ類、糖質の少ない野菜などをきちんと食べて、食物繊維を摂取するようにすることが重要です。
糖質の過剰制限は逆効果になることも
糖質制限は、血糖コントロールをする上で有効な方法となりますので、糖尿病の食事療法としても主流になっています。
ただ、一方で糖質を制限しすぎると、逆効果になるという見方もあります。
私たちの体は、糖質があまりにも不足すると、肝臓で糖新生という反応がおきて、筋肉から新たに糖を作りだしてしまうのです。
せっかく糖質を制限しても、体内で生成されては意味がありませんし、筋肉が減ってしまうことになりますので、糖質の過剰制限には注意が必要だと言えます。